Yamaha MONTAGE 6/7の鍵盤は狭いのか?
1992年秋から1993年夏にかけて私は米国のBoston(Greater Boston Area)に暮らしていて、その間、英語の新聞や雑誌を読むのはけっこう楽しいことであった。お気に入りは「Sound On Sound」で、この雑誌の製品レビューは大好きである。今でも、シンセのレビューをWebで読むことがある。「Pros」(いいところ)と「Cons」(悪いところ)が表になっていて、そこを読むだけで納得できることもあるし、よし、本文をまじめに読んでみるか、と思うこともある。
ヤマハMONTAGE 7の記事が出ていたので読んでみた(Sound On Sound Yamaha Montage 7)。「Cons」の最初の項目に「The Montage 6 and Montage 7 have slightly narrower keybeds than standard.」(MONTAGE 6/7は標準サイズよりも少し狭い鍵盤を使っている)とある。えっ、そうなの、気付かなかったぜ、と思った。
手元のMONTAGE 6に定規を当ててみた。センターCから上へ白鍵10個進んだところで、228mmである。
その上に置いてあるAlesis Fusion 6HDも測ってみた。こちらは234mmだ。確かに違う。
先ほどの記事でGordon Reid氏は、「I have no idea why Yamaha do this, and I wish that they would stop because, if I want to stack multiple manufacturers’ keyboards in a live rig, I want them to line up.」(なぜヤマハがこんなことをするのかわからない。そして私はヤマハがこんなことをやめてくれるよう願っている。なぜなら、ライブで複数の会社のキーボードを重ねる時、縦が揃ってほしいからだ)と述べている。
で、私は最初は、「おお、ヤマハはがんばるな、こういう基本的なところも今回改良してるのか」と思った。でも、その後、いくつかのキーボードで鍵盤幅を測ってみたところ、ゴードン氏の指摘も、私の感想も、的を外していることがわかった。なぜなら、ヤマハのエレクトーン鍵盤とシンセ鍵盤は、かなり以前からこの大きさであったからだ。
いくつか写真をお見せしよう。
白鍵10個で228mm
先に掲載したMONTAGE 6もそうである。ヤマハのエレクトーン鍵盤、シンセ鍵盤は、かなり以前(SS30は1977年ごろ)からこの大きさだったのだ。写真は撮影していないが、ヤマハからFS鍵盤の供給を受けた、KORG T2EX 76、TRITON STUDIO 61も測ってみた。やはりこの幅であった。
ゴードン氏は、この記事を仕上げる前に、ヤマハに「どうしてMONTAGE 6/7の鍵盤の幅を狭くしちゃったの?」と問い合わせるべきであった。おそらく「いや、うちは以前からこの幅だよ」という答が返ってきたであろう。
白鍵10個で232mm
Fender Rhodes MarkII Stage 73keys
白鍵10個で233mm
この2つは、下の234mm鍵盤に比べて、わずかに狭い、と思う。妻は、Steinway FとカワイRX-Aで鍵盤の幅に違いを感じるという。
白鍵10個で234mm
上に写真を示したAlesis Fusion 6HDも同様である。写真を撮影しなかったが、Nord C1も同じだ。
鍵盤幅が狭いと、指が短い人でも、オープンな和音を弾ける。初期のエレクトーンや、それ以前のヤマハオルガンがどうであったのかはわからないが、何らかの理由で、ピアノとは異なる鍵盤幅を選択したのではないだろうか。
H2
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