ピアノの「ストレッチ」と「フラット」
ヤマハMONTAGEにCP1由来のCF3Sを入れようとして、あるデータは120MB程度あり、あるデータは70MB程度で、何が違うのかを見たら、ストレッチチューニングとフラットチューニングの2種が入っている方が大きく、ストレッチのみの方が小さかった。ストレッチとフラットでどう違うのだろうと思い、ストレッチのサンプルを使ったパフォーマンス(音色)を、フラットに変えて保存するという作業を始めた。
違うような違わないような…。
MONTAGEが標準で持つ波形一覧を見たら、MOTIF XS由来のCF3、S70/90 XS由来のS6はストレッチとフラットがあった。S90 ES由来のS700とMONTAGEの新ピアノCFXはストレッチのみだった。
で、上の画面のように、CF3とS6のいくつかのプログラムでストレッチとフラットを用意した。今後、時々比べてみよう。
ではその音を少し。
Natural Grand S6 (Stretch Tuning)
ほどよい回り感がある。回りながら落ちていくというか。MONTAGE内蔵のシーケンサーに録音し、8分でクォンタイズをかけた。
Natural Grand S6 Flat (Flat Tuning)
先ほどと同じ演奏データで音色だけ変えている。ド(C)だけを演奏している時は回転感が少なく、まっすぐ落ちていく感じ。一方で、レ(D)とかシ(B)を弾いた時の不響感が少し異なったものに感じられる。
ピアノ以外の音は、どれもフラットチューニングだと思うんだよねぇ。
この使い分けは、悩ましいけど面白いかも。
ストレッチとフラットの両方を録音してシンセまたは電子ピアノに収録するというのは、大変に野心的な試みであると思う。
ストレッチとフラットの両方を標準で持つ機器は、うちにある中で判明しているのは、MONTAGE、MOTIF-RACK XS、PLG-150APである。うちにない機種では、CP1、MOTIF XS、MOTIF XFが持っていると思われる。他の機種も、説明書をよく読めばわかるかもしれないが、大規模に調べてはいない。
ストレッチとフラットの両方を収録すると、消費するメモリー容量がほぼ倍になる(ノイズ系は一つしか収録しないことがあるから)。同じメモリー容量であるとすれば、収録できる音色の量が半分になる。
でも、ストレッチとフラットの使い分けをする人って、あまりいないだろう。
となると、ストレッチのみを収録して「大容量ピアノサンプル」をアピールしたり、「ピアノサンプルがたくさん」をアピールしたりする方が、セールスには結び付くはずだ。
このように考えると、ストレッチとフラットの両方を持つ機器って、希少価値が出てくるかも。
(追記)ネット検索していたら、電子ピアノでストレッチとフラットの選択機能を持つものはいくつかある。ただ、それが、ストレッチとフラットの両方のサンプルを収録して切り替えているという意味なのか、元々をフラットにしておいて周波数を変えているのか、は説明書からは読み取れない。いろいろと、やり方はございますなぁ。
で、PLG150-APとかMOTIF XSとかは、波形は同一でチューニングだけを変えているのか、それとも波形からして異なっているのか。どちらでしょう。わかりませんなぁ。CP1は、そのデータが存在するから波形が別ではないかという気がするんだけれど。
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