サラウンド5.1チャンネルのWAVファイルとWMAファイルを作成
昨日の記事で「Long Long Rain」というシンセソロの、ステレオのセンターに定位させたバージョンと、左右に振ったバージョンを公開した。その後、サラウンド5.1チャンネル化しようと作業をしていた。
Mac上のLogicでSH-101 Plug-out(プラグインとして使っているが)を6個並べ、それらのパンを、Left、Right、Surround Left、Surround Right、Center、LFEに振り、音をはめ込んだ。LFEは通常のメロディだと音量が小さくなってしまうので、ベース音を録音して、それが出てくるところに関しては2声にした。
Logicでまあまあちゃんと鳴るな、というところまで作って保存した。バウンスしてWAVファイルを作成した。「プロジェクトまたは選択範囲」を選び、「用途」を「PCM」、「ファイルフォーマット」を「Wave」、ファイルタイプを「インターリーブ」にし、「サラウンドバウンス」のチェックを入れると、5.1チャンネルのWAVファイルができる。
上の画像は、そのWAVファイルをWindows上のSound Forgeで開いた様子だ。上から、Left、Right、Center、LFE、Surround Left、Surround Rightの順番で音が見える。最初の1小節はLeft、次の1小節がRight、次の1小節がSurround Right、次の1小節がSurround Left、次の1小節がCenterという風に音を配置している。その後はもう少し細かく音を回している。LFEは、5小節目からベース音が入っている。
仕事のメイン機として使っているWindowsパソコンは現在、S/PDIFオプティカルでパイオニアのAVアンプ「VSA-919AH」へ音を出すことができ、USB接続したローランド「UA-S10」にも音を出すことができる。
Realtek Digital Output(Optical)に接続したVSA-919AHはけっこういろいろなデータを受けてくれる。
「DTS Audio」「Dolby Digital」「Microsoft WMA Pro Audio」のどれも動く。エンコード形式をクリックして「テスト」ボタンを押すと、LFE、Left、Center、Right、Surround Right、Surround Leftの順で音が鳴る。
ただ、5.1チャンネルのWAVファイルは、エンコードされていないので、それをRealtek Digital Outputに送ることはできない(私の知る限りでは)。UA-S10は6チャンネルの出力ができるようだが、今のところ2チャンネルしかスピーカーに接続していないので、5.1チャンネルを送ることはできない。
Sound Forgeでは、5.1チャンネルWAVファイルから、5.1チャンネルWMA(Windows Media Audio)ファイルを作成できる。
ダウンロード - 20200731a_longlongrain5_1ch48khz24bit256kbps.wma
Windows Media Playerで5.1チャンネルWMAファイルを開き、Realtek Digital Outputを介してVSA-919AHに送ると5.1チャンネルの再生ができる。
ただ、リピート再生を指定しても2回しか再生せず、2回目が終わると挙動がおかしなものになる。私が作ったファイルに問題があるのかもしれない。先日の記事で紹介した「WavPlayer」でも同様である。
Windows Media PlayerとWavPlayerで5.1チャンネルWAVファイルをRealtek Digital Outputに送ってみたら、2チャンネルにダウンミックスされ、音量がかなり小さくなってしまった。
今回作った5.1チャンネルWAVファイルと5.1チャンネルWMAファイルをUSBメモリーにコピーし、Oppo Digitalのユニバーサルプレーヤー「BDP-103」で再生してみた。どちらも再生できた。BDP-103からVSA-919AHへの接続は、HDMI、アナログ5.1チャンネルのどちらでも大丈夫だった。
「コントロールパネル」の「サウンド」でUA-S10を「既定のデバイス」に設定し、Windows Media Playerで5.1チャンネルWAVファイルと5.1チャンネルWMAファイルを再生してみた。2チャンネルにダウンミックスして再生してくれた。LFEのレベルが小さいが、それを除けば問題はないようだった。リピート時の挙動がおかしくなることもなかった。
Windowsパソコンにはfoobar2000を入れていて、これはASIOでUA-S10に接続している。5.1チャンネルWAVファイルを再生したところ、LeftとRightは発音されるが、他は音が出なかった。5.1チャンネルWMAファイルでも同様だった。
画面下部のステータスバーを見ると、ファイルは認識しているので、何らかの方法で5.1チャンネル再生ができるかもしれない。
VSA-919AHで5.1チャンネルの再生がうまくいった時であっても、その音は、Logicでパワードモニターの5.1チャンネルを鳴らした時とは、かなり違うものであった。
その理由の最大のものはサブウーハーの鳴りの違いだ。Logicで使っているサブウーハーTS112のローパスフィルター(ハイカットフィルター)の設定は、最高値のたぶん300Hz程度にしている。VSA-919AHに接続しているYST-SW800の方は、VSA-919AHの自動補正機能によってローパスフィルターの設定がかなり低くなっていると思われる。そんなわけで、TS112から出てくるベースははっきりしているのだが、YST-SW800から出てくるベースは大変に控え目になってしまったのだ。
また、VSA-919AHに接続しているセンタースピーカーNS-M125の音は、単体で聴くと、NS-10Mと比較してさえ、頼りないものであった。
ここまで得られた知見としては、我が家のWindowsパソコンで5.1チャンネル音声を再生するには、WMAファイルが一番簡単であること、その音質が物足りない場合は、WAVファイルを作ってBDP-103で再生する方法があること、くらいだろうか。
次は、Macで再生するにはどうするか、の実験をするつもりだ。しかしまあ、くたびれるなぁ。
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