Roland JD-XAでINTEGRA-7の「SuperNATURALシンセ・トーン」を弾く
Axialに公開されているINTEGRA-7用SVDファイルをJD-XAで読み込めることがわかった。それなら、INTEGRA-7のSuperNATURAL Synth Tone(以下SNシンセトーンと略す)を弾くことができるのではないかと考えた。
実験してみたところ、INTEGRA-7のSNシンセトーンをユーザーエリアに保存し、それをエクスポートしてSVDファイルを作り、JD-XAのライブラリアンでそれを開いてXALファイルを作ればよいということがわかった。ただ、INTEGRA-7のSNシンセトーンは1109個あり、これらを一つずつユーザーエリアに保存してパソコンに持っていく作業は、ほぼ1日を要した。疲れた。
では音を一つ。
INTEGRA-7 SuperNATURAL Synth Tone "966 Crawler" played by JD-XA
MR-2000Sを回して手弾き。INTEGRA-7のトーンは1パートで使うためのものなので、そのSNシンセトーンをJD-XAのパッチに変換した場合、JD-XAのパッチはデジタル1パート(1トーン)のみを使うものとなる。この音色は2パーシャルを利用し、パートMFXは「35: Mod Delay」となっている。MFXの部分がちゃんと生かされているのがうれしい。
ここ数日の作業で、INTEGRA-7のAxialにある音色697個、プリセット1109個をJD-XAで弾けるようになった。AxialにあるJD-XA用の音色もたくさんある。とりあえず、これらを弾いてみることから始めようと思う。
ローランドは、アナログシンセの技術を相当に失ったんだろうなぁ、と思う。
ローランドはJD-XAの開発・製造で新日本無線(JRC)と組んだ。SE-02は米Studio Electronicsと組んだ。SYSTEM-500は米Malekkoと組んだ。パートナーが必要だったのは、ローランドの中にノウハウがなかったからだろう。Studio Electronicsはアナログシンセ業界の老舗だし、Malekkoもそれなりにシンセを知っているだろう。しかし、新日本無線はどうなんだろう。よくそんなところと組んだなぁ、と思う。
新日本無線と一緒に作ったJD-XAは、実にわけのわからないシンセに仕上がっている。
どう解釈して使ったものか考えたが、JD-XAの中核となっているのはSNシンセの「デジタルパート」で、「アナログパート」は、コストは相当にかかっていると思うが、おまけであると考えた方がよいように思う。64音ポリのデジタルパートは両手で弾けるが、4音ポリのアナログパートは片手でしか弾けないからだ。マルチティンバー音源として使うなら話は別だが、鍵盤で弾こうと思ったら、デジタルパートを中心にするしかない。
シンセ奏者がアナログシンセに期待するのは通常「シンプルな操作で太く重く鋭く派手な音が出る」ことだと思う。SNシンセは、操作はシンプルとはほど遠いし、どちらかと言えば細く軽く柔らかく地味な音である。「らしい」アナログシンセが欲しいなら、JD-XAは避けるべきだろう。ローランドの製品で言えば、JP-8000、SH-32、SYSTEM-8といったバーチャルアナログ製品の方が、シンプルな操作で太く重く鋭い音が出る。そっちの方が、JD-XAよりもはるかにアナログシンセらしいと思う。
ではJD-XAを私が低く評価しているかというと、そうでもない。
SNシンセトーンの細く軽く柔らかく地味なキャラクターは、素材としては悪くないかもしれない。Sound Canvasの音色が、1音だけを弾くとつまらないのに、音数を増やすとバンドやオケのように響いたように。
上の録音でも、弾いた時はつまらない音だと思ったが、パソコンに取り込んでノーマライズをかけたらレベルが上がって印象が良くなった。ピークがあまり出ていないことが原因だろう。すべての音がそうだとは限らないが、例としては、ありそうな話である。
JD-XAは、他にない個性を持つシンセかもしれない。使うのが難儀ではあるけれど。あってほしいものがなくて、なくてもいいものがある。
そもそも、JDっていう型番はメジャーじゃないんだよね。JD-800、JD-990、JD-Xi、JD-XAだけじゃないかなぁ。
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