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2021年10月

2021/10/28

Roland Cloudから「JD-800 Software Synthesizer」登場

20211028e_rolandcloudjd800_2_3_lamididpi

ローランドは2021年10月26日、Roland Cloudで「JD-800 Software Synthesizer」を発表した。テストドライブで試せるので、ダウンロードして音を出してみた。

Preset 1: 2-3 LA MIDI'd Piano

Cakewalkに立ち上げて、コルグVox Continentalで手弾きしたものを、dbx Quantum→コルグMR-2000Sに録音した。気持ちのよい音だ。フルデジタルでノイズの混入がないのが嬉しい。

JD-800のソフトシンセは、2021年3月に「JD-800 Model Expansion」が登場した(記事はこちら)。これは「ZENOLOGY」シリーズの一つで、ZENOLOGYのアドオンのようになっている。見た目はJD-800っぽくないが、JUPITER-X/Xmにエクスポートできるという特徴がある。

今回登場した「JD-800 Software Synthesizer」は、「LEGENDARY」シリーズの一つで、見た目がJD-800である。でも、エクスポートというかプラグアウトというか、はできない。

どちらも価格は149米ドルである。

LEGENDARYシリーズは、SYSTEM-1/1m/8にプラグアウトできるものがいくつかある。SYSTEM-100、SH-2、PROMARS、SH-101、JUNO-60(SYSTEM-8のみ)だ。これらにはそそられて、JUNO-60以外は買ってしまった。

JD-800、できるなら、JUPITER-X/Xmで弾きたいよねぇ。

H2

メインのパソコンをWindows 11に更新

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メインで使っているWindowsパソコンをWindows 11にした。Windows 11に対応できるかをチェックツールで調べ、TPM 2.0とかセキュアブートとかの課題はクリアしておいたのだが、オーディオインタフェースが動くかどうか不安で、ローランドの発表があるまで、Windows 11への更新は待とうと思っていた。しかし、Windows Updateの画面で「更新できますよ」と提示され、つい、やってしまった。

いつ更新しようかと考えるのが面倒なんだよね。更新に付いていかないという選択肢は、基本的にはないわけだし。

一番気になっていたローランドのSuper UA(UA-S10)は、とりあえず、動いているようである。下は「UA-S10 Control Panel」。

20211028a_rolanduas10controlpanel

Windowsのコントロールパネルの中にある「UA-S10」アプレットも、下の図のように開いた。

20211028b_rolanduas10setting

現在つないでいる他の音楽関連周辺機器はローランドMX-1、コルグVox Continental、Mark Of The Unicorn(MOTU)のMidi Timepiece AV(MTPAV)、ヤマハMOTIF-RACK XSで、それらの電源を入れると、デバイスマネージャーは下の図のようになった。

20211028d_devicemanagersounddevices

なんとか大丈夫そうで、ほっとした。

Microsoft Windowsの何が好きか。過去のソフトと周辺機器との互換性を、アップルより重視しているところだ。周辺機器とソフトが動かなくなるのは、本当に痛いのだ。いつであっても。

オーディオインタフェースは、このWindows機では、リスニング(主にfoobar2000)とマスタリング(Sound Forge)をUA-S10で行い、主にCakewalkでシンセを弾いたり音をミックスしたりするのはMX-1にしている。UA-S10の出力は、サラウンド再生を可能にするために、6チャンネル分をすべてFM-186に送ってしまっており、マスターレコーダーMR-2000Sに回すのが難しい。MX-1はデジタル出力をdbx Quantum→MR-2000Sに送るだけで済む。ちなみに、MacBookはRME AudioのFireface 800を使っている。

Windows 11になって良いところは特にないのだけれど、約5年後にWindows 10のサポートが切れた後にも使い続けられるであろうから、まあそれがメリットと言えるだろう。

厄介な点はいくつかある。一つは、ポップアップメニューが簡略化され、機能によっては、「その他のオプションを表示」を選んで旧ポップアップメニューを呼び出してから選ばなければならなくなったことだ。エクスプローラーでは、切り取り、コピー、貼り付けがそうなってしまった、と思ったが、実はそれはアイコンとして表示されていた。やれやれ。

「ペイント」は、従来はWindowsフォルターに「mspaint.exe」として存在していたのだが、Windows 11ではストアアプリになってしまったようで、更新のたびにEXEファイルの場所が変わる。ショートカットを作っても、それが突然無効になったりする。EXEファイルの場所を探すのも面倒で、タスクマネージャーの詳細画面で探すくらいしか、今の私は思い付かない。面倒な変更をしてくれたよな、と思う。

Hyper-V仮想マシンの構成バージョンが9から10に上がったのも、手間はかかるが、それによって得られることが何かわからず、「あー面倒くさい」と思いながらバージョンアップをしている。

ま、Windowsはバージョン2.11以来のお付き合いだし、これからも付き合っていくと思うので、まあ、よろしく頼みます。

H2

2021/10/26

Yamaha YMM2を出してきた

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ヤマハのMIDIマージボックス「YMM2」を出してきた。主な結線を下図に示す。

20211026e_yamahaymm2connections

なぜこんなもんが必要になったのか。Vox Continentalは、ノート情報、エクスプレッションペダルによるcc#11、サスティンペダルによるcc#64、スロー/ファスト切り替えペダルによるcc#82を送れるが、cc#1(モジュレーション)とcc#7(ボリューム)を送ることができない。他の音源を弾くにあたって、それが難点となっていた。

上の結線をすることで、D-05のリボンコントーラー2でcc#1を生成し、それをMTPAVのポート1へ供給できる。MTPAVにはヤマハのエクスプレッションペダルFC7を接続し(Clockworksでの設定は「Korg」で)、そこでcc#7を生成してポート1へ供給できる。これらによって、MTPAVのポート1に必要なデータが集められる。

YMM2のTHRU1からVox Continentalへ配線しているのは、D-05で生成したcc#1をVox Continentalへ送るためである。これによって、Vox Continentalのシンセ音にビブラートなど(音色によって異なる)を付加できる。

YMM2のような昔の製品が使われることもある、という例。

しかし、USBでルーティングをすると、妙なところでループやデータの重複が生じたりするのではないかと心配もしている。

H2

Yamaha MOTIF-RACK XSで「5月31日(ショートバージョン)」

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昨晩、MOTU MTPAVの下の1Uのスペースに何か入れようかと考えて、手が届きにくい位置なので、フルリモートでないときついよなぁ、と思い、ヤマハMOTIF-RACK XSではどうかと考えた。ドライバーソフトとエディターをインストールして、何とか動きそうだったので、ラックに入れた。

May 31th (Short Version)

5月に録音した「5月31日」という曲をMOTIF-RACK XSで弾いた。コルグMR-2000Sを回して手弾きしただけなので、修正はかけようがない。パソコンに入れて音量上げをした程度である。dbx Quantumも、今回はスルーにした。MOTIF-RACK XSの1番ピアノ「Full Concert Grand」は、弾くたびに「さすがヤマハ」と思う。今回録音したものを聞くと、若干ループが感じられるが、それでもやっぱり気持ちよくて、Vox Continental-73で弾くとなおさらである。「ツーン」と来る感じが素敵。

惜しいのは、今回のセッティングだと、MOTIF-RACK XSからローランドMX-1への接続がアンバランスアナログであることだ。MX-1との選択式にすればデジタル接続もできなくはないが、さてどうしたものか。

MOTIF-RACK XSエディターを使うと、パソコン画面で音色選択、編集ができる。字が小さいが、致し方ない。今回はこのソフトでMIDI信号をスルーさせて弾いた。

20211026b_motifrackxseditorvoicemodeonli

昨日がんばって接続機器を増やしたので、MIDI Matrixの画面が盛大になった。

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MTPAVのポートが8個、MX-1のポートが6個、MOTIF-RACK XSのポートが4個見える。D-05とSystem-1mとTR-8はMX-1経由なので、ここには見えない。MX-1の先に接続したものは、電源を後から入れても問題ない。MX-1は便利である。

MOTIF-RACK XSは、ヤマハ最後のDTM音源であると思う。ローランドだとINTEGRA-7がそうだ。パソコン上のエディターが、今後できるだけ長い間動いてくれるといいなぁ。

H2

2021/10/25

RolandのD-05とSystem-1mを出してきた

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これまで、机左側のセットはコルグVox Continental-73を中心にして、その上にコルグARP Odyssey-Mを置いていたのだが、Odyssey-Mを片付けて、nanoKEY Studioも片付けて、代わりにローランドのD-05とSystem-1mを出してきた。上の写真の右端には、2UラックにMark Of The UnicornのMidi Time Piece AV(MTPAV)も出てきている。写真に入っていないが、TR-8もつながっている。

このところずっと考えていたのは、Vox Continentalにはモジュレーションホイールがないので、それをどうしてくれようか、であった。nanoKEY Studioでcc#1を送ることは一応できたのだが、もうちょっと何とかならんか、と思った。キーボードスタンドの上階に、モジュレーションホイールを備えたキーボードを置くことを考えた。あれにしようか、これにしようかと色々考えた。音源モジュールでモジュレーションホイールを備えたものがあればいいのに、と考えて、そう言えば、D-05にはモジュレーションホイール代わりのスライダーがあるなー、と思い出した。

D-05を出してきたら、何とかなりそうである。D-05の音を出して、うーん、やっぱり良いなー、と思ったのだが、Vox Continentalのエクスプレッションペダルで送れるのはcc#11で、D-05の音量を制御できない。そこで、MTPAVを出し、それにヤマハのFC7を接続し、そこからcc#7をD-05に送れるようにした。なんとか問題は解決した。

FC7は2台つないだので、1台は余っている。これは、MX-1に何らかのccを送ることに使えるのではないかと想像している。

ソフトシンセの制御をするのに、System-1mも出したいなと思った。音を出してみると、つまみが近いところにあるのは良い。

キーボードスタンドの上階にはまだスペースがある。しばらく開けておいてもいいけどね。

H2

KORG Vox Continentalで「子供のころ」

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コルグVox Continentalでストリングスグループの音を一つずつ弾き、「09 Air Voices」で止まり、ピアノを重ねて上の譜面を書いた。昼食を摂ってから録音した。

My Childhood

ピアノ「Grand Piano 1」とキー/レイヤー「Air Voices」を重ねて弾いたもの。当初は内蔵リバーブをかけただけで録音したのだが、音がなかなか大きくならなかったので、バルブドライブとかコンプとかを使って上げた。それが良いのか悪いのか。

MIDI録音は、最初から最後まで1回で弾けた。最後のリタルダンドを除き、8分でクォンタイズをかけた。Aメロに戻る前にテンポチェンジを入れた。ピアノロールでベロシティとかタイミングとかをいじった。

Vox Continentalは、「こうしたいけど、できないのね」ということが多いキーボードである。例えば、ボイスにコーラスをかけたい、ということができない。ピアノと一緒くたにかけるしかないのだ。音をちゃんと作って使いたい、というニーズには応えられない。

出たとこ勝負で、ま、これでいいや、と妥協しながら使うしかない。

それでも、私にとっては、大変に魅力的な鍵盤である。

H2

2021/10/24

シンセ弾きは1000人に1人くらいではないか

今朝、布団の中で考えたのだが、日本におけるシンセ弾きの数は、1000人に1人、おおむね10万人くらいではなかろうか。私が通っていた高校は1学年が900人くらいだった。シンセ弾きは学年に1人か2人、くらいであった。昔も今も、あまり変わらないだろう。

他の奏者と比較するとどうだろうか。

ピアノを習ったことがあり、鍵盤を両手で弾く人は、10人に1人、1000万人くらいだろう。鍵盤ハーモニカを弾いたことがあり、鍵盤を片手で弾ける人は、ほぼ全員、1億人くらいだろう。私の父のような、音楽教育は歌うだけだったころの人は、ここでは除外して考える。

ピアノを、今習っている人はどのくらいいるだろう。小学生が1学年100万人とすると、6年で600万人。その10分の1がピアノを習っているとして60万人。ピアノの先生が、1人で20人の生徒を持っているとすると、ピアノの先生は3万人。

バンドで鍵盤を弾いている、という人は、シンセ奏者の10万人よりは多いだろう。30万人くらいかなぁ。

推計でいうと、まあまあ、上のようなもんではなかろうか、と思う。

このように考えると、シンセ弾きを相手にしていたのでは、商売は成り立たない。シンセを多く売ろうと思ったら、シンセ弾きではない人に売れないといけないのだ。

過去のヒット作はなぜ売れたのだろう。

ヤマハDX7(を始めとするDXシリーズ)は、鍵盤楽器は欲しいがピアノは置けない、という人にヒットした。DX7が出た1983年、市場にある電子鍵盤楽器はアナログ音源で、ピアノとはほど遠い音しか出なかった。電子ピアノという製品ジャンルは、ほぼ存在しなかった。DX7はピアノの音は出なかったが、電気ピアノの音はなかなかいけていた。他の音も出た。ピアノや電子オルガンのようなでかいものはちょっと、という人に、DX7は広く受け入れられた。

私は1986年ごろに吹奏楽団の学生指揮をしていたのだが、私以外に女性の指揮者も一人選出されて、その女性は、「スコア読むのにキーボードほしいから買い物に付き合って」と言い、一緒に御茶ノ水に行って、DX21か何かと、小型のヤマハのアンプとアナログディレイ(確かアムデック)を買って帰ったことがある。ピアノの経験はあるが、学生寮にピアノを持ち込むことはできないから、DXでということだった。

あと、DX7は、日本全国の軽音楽練習スタジオが、こぞって購入していた。どこのスタジオでもDX7をレンタルできたから、カートリッジとペダル類とテープエコーとブレスコントローラーを自転車に縛り付けて運べばよかった。車がない人間にとっては、ありがたい時代だった。練習スタジオの分だけで、数万台は売れたのではないだろうか。

コルグM1は、アコースティックピアノの音が出る点が画期的であった。「M1ピアノ」と後に呼ばれるキンキンしたピアノは、家でしっとり弾くには向かないが、ステージで響かせるには好適だった。ステージやスタジオで前世代のエレクトリックグランドやコンボピアノが壊れつつある状況を、うまくカバーしたのがM1であったと思う。前世代のエレクトリックグランドやコンボピアノに比べると、安くて軽かった。Aスタジオに運ぶ、みたいなことが簡単で、据え付けにする必要がなくなった。

1990年代の日本における大ヒット作、ローランドSound Canvasと、そのライバルであるヤマハMUシリーズ(総称「DTM音源」)が画期的だったのは、パソコンで音楽をダウンロードして聞きたい、打ち込みをしてアップロードして聞かせたい、というニーズをつかんだことだ。鍵盤ハーモニカ奏者まで取り込んだと言える。売れて当然である。まあ、日本だけの現象だったかもしれないけれど。

これ以降どうなったかというと、ADSL/光回線の普及によりPCM化された音楽のやり取りが可能になると、DTM音源は不要になった。携帯電話に着メロのための音源チップを入れることもなくなった。ローランドとヤマハは需要の消滅に直面することとなった。

「ピアノは置けないけど」という人がシンセを選ぶこともなくなった。電子ピアノ、電子キーボードを買えばよくなったからだ。安い方がいいよね、ということで、カシオ計算機が躍進することとなる(XW-P1とXW-G1は持ってるよん)。

以上のような具合で、シンセは商売になりにくくなった。ヤマハは、エレクトーンとシンセの新製品が出てくるまでの期間が、えらく長くなった。まあ、そうしないと商売が成り立たないのだろう。適切に商売をしているとも言える。

日本のシンセ弾きが10万人程度であるとすると、このページを訪れる人も、もう少し増えてほしいかも。ははは。

H2

(2021/10/24追記)初出時に計算ミスが多くありました。訂正し、お詫び申し上げます。

2021/10/22

KORG ARP Odyssey-Mで「デュオフォニック・シンセサイザーのために」

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机の左側は現在、コルグVox Continental-73をメイン鍵盤とし、コルグARP Odyssey-MとローランドTR-8が控えるという布陣になっている。このごろOdysseyをあまり使わなかったので、片付けようか思案し、弾いてみたらなんとなく引き込まれて上の譜面を書いた。Odysseyは、どうってことない音が魅力的で、片付けるのが難しい。

For Duophonic Synthesizer

ARP Odyssey-m独奏。Odyssey-mは、VCO1が低音優先、VCO2が高音優先、というのが標準状態なので、デュオフォニックのアナログシンセサイザーであると言える。ただ、フィルターとアンプは1個だけである。1音だけを弾くとVCO1とVCO2の両方が同じキーで発音し(同じ音程とは限らない)、2音を弾くと別のキーで発音する。これはまことに珍妙なもので、ピアノやオルガンやエレクトーンやポリフォニックシンセは、1音を弾いた時より2音を弾いた時の方が音量が大きくなるのだが、Odysseyの場合、1音を弾いた時より、2音を弾いた時の方が少し小さく聞こえる。ユニゾンよりパワーがなくなるというべきだろうか。

Odysseyのデュオフォニックをどう使うべきかよくわからないのだが、今回はそれを試した。VCO2は、VCO1の2オクターブ下にしてある。そうすると、2音を弾いた時、上の音が低く鳴る。これまた珍妙である。ピアノやオルガンやエレクトーンやポリフォニックシンセでは、2音を弾いた場合、上の方が目立つ。今回のOdysseyの場合、下の方が音程が上になるので、そちらがトップノートになって目立つ。弾いていて、違和感ばりばりであった。

あと、2音を弾いた場合に、鍵盤を離す(リリースする)タイミングが同じでないと、早く離れた方は、もう一方へピッチを変えようとする。これはかなりの難物で、ピアノロール画面で音の長さを調整せざるを得なかった。また、アンプエンベロープのリリースは短くせざるを得なかった。

リバーブは、ローランドMX-1のディレイ7「Hall」を使った。ディレイはリバーブにもなる、ということは、Roland - The Ultimate Guide To The AIRA MX-1 Mix Performerに書いてある。

最後のリタルダンドを除き、8分でクォンタイズした。Aダッシュに戻る前にテンポチェンジを入れて、少し間を入れた。

けっこうノイズの混入があって、最後の音が消えた後はそれが目立つ。dbx QuantumでGateをオンにしたが、取り切れなかった。

ピアノやオルガンやエレクトーンやポリフォニックシンセで、右手と左手で1音ずつ弾いた方がマシかもしれない。

私が最初に買ったシンセサイザーであるヤマハCS-40Mはデュオフォニックだったが、これは同じセッティングの2ボイスがあって、1音弾けば1音が出て、2音弾けば2音が出るというものであった。2音しかないポリフォニックシンセ、と言えばよいだろうか。モノモードもあったのだが、当時の私はそれをうまく使うことはできなかった(へちょいモノモードであった、という可能性もある)。

コルグ800DVは、オシレーター、フィルター、アンプを2系統持ち、1音弾けば2系統がユニゾンで鳴り、2音弾けば2音が出るというものであった。デュオフォニックとして使うのは難しく、過去にそれをやったことはないように思う。外部からCVとGATEを入れると普通にモノフォニックになるので、そのセッティングにして使ってきた。

MoogのSub 37は2オシレーターを高音優先、低音優先にして使うことができるのではないか、と思う。その設定にするとOdysseyに近い。ただ、押し入れに入れっぱなしで録音に使ったことがない。これまでのところ、あまり好きになれないシンセなのだ。新品を買って、ちょっと後悔したシンセである。

そんなわけで、今回のデュオフォニック演奏は、私としてはチャレンジであったのだが、まあ、聴く側としては、そんなことは感興をそそらないだろう。やれやれ。

H2

2021/10/18

KORG Vox Continentalで「10月の晴天」

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コルグのVox Continental-73は、8.4kg(ACアダプター含まず、だと思う)の軽量であるのに、弾いた感じがとてもピアノっぽい。ピアノの音だけで楽しくなってしまい、エレピやオルガンの学習が進まない。

このキーボードは、ライブ向きではないと思う。このごろのライブでは、キーボード奏者はとことん音を仕込んでそれをガチャガチャと切り替えて仕事をするだろう。Vox Continentalは、音色名を確認できないので音色を間違える可能性があるし、VALVE DRIVE、DYNAMICS、EQがシーンにメモリーされない。ライブでは使いにくいと思う。

一方で、キーボード奏者がVox Continentalをちゃらちゃら弾くと、とても楽しい。スタジオでセッション(練習、録音)をするのにも良いだろう。綿密に作り込むのではなく、その場で音を整えて弾く、というのに向く。

午前中に譜面を書き、昼食後にウォーキングに行って、帰ってきて録音した。

Sunny Day In October

Vox Continental「Grand Piano 1」独奏。Lid Positionは低く、音が丸い方。ついついそちらを使ってしまう。今回は、Vox Continentalの内蔵イコライザー、バルブドライブは使わず、イコライザーはdbx Quantumでかけた。Vox Continentalとdbx Quantumはアナログバランスで直結。リバーブはVox Continental内蔵の「Room 1」。パソコンに音を取り込んで音量上げをしたらリバーブが浮いてきて困った。音量が少し控えめなのは、そういう理由もある。

メトロノームなしでMIDI録音したが、一度ですべてを弾き切ることはできなかった。Aが終わったところでどじったからだ。サウンドオンサウンドに設定して、Aダッシュから弾き直した。ペダルを踏むタイミングがおかしくなり、ピアノロールで修正をかけた。ピアノロールで、音を変えたり、ベロシティを調整したりもした。ただ、タイミングはほとんど変えなかったと思う。

秋ですね。

H2

2021/10/17

RolandにおけるWindows 11での検証の進行

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ローランドは、自社製品がWindows 11で使えるかどうか、検証を始めているようだ。一覧表が出て、「×」(非対応)だったり「検証中」だったりする表が、ここに示されている。

自分が持っているものについていうと、UA-S10は検証中。動いてほしいなぁ。FA-66は非対応。ついに落ちたか。UM-ONE mk2は検証中。UM-2Gは非対応。うーむ。MC-707、MX-1、SYSTEM-1m、SYSTEM-8、TB-3、TR-8、D-05、FA-06、INTEGRA-7、JD-XAは検証中。

自分が持っていないものでいうと、Boutiqueシリーズの初期3製品、AIRA Modularの4製品が非対応となった。DEMORAを欲しい気持ちが少し弱くなった。

仕方ないこととは言え、持っているものが古くなり、対応されなくなり、というのは悲しい。でもまあ、シンセの場合は、MIDIやCV/GATEが動けばそこそこ何とかなる、というのも事実だ。MX-1も、パソコンに接続できなくなってもミキサーとしては使える。工夫しながら使い続けるのも、シンセを弾くことだと考えよう。

H2

2021/10/12

KORG Vox Continentalで「後は寝るだけ」

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夕食後に歯を磨き、机の左側にあるVox Continentalのピアノを弾き始めた。工夫をせずに、出てきたものを採譜したのが上の画像だ。

All You Have To Do Is Sleep

Vox Continental「Grand Piano 1」独奏。リバーブはLexicon PCM 81の「P3 0.6 Tiled Room」をかけた。VALVE DRIVEはついついオンにしてしまう。これをかけると汚くなるのだが、そのごちゃごちゃした感じが、家で本物のグランドピアノを弾いている時の感覚に近いような気がして、これはこれでいいんじゃないかな、と思ったりする。

H2

KORG Vox Continentalで「海のいのち」

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コルグVox Continentalで、シーン1をピアノにしようとやっていて、ふと出てきた曲。一つ前の曲とよく似ている。最初のコードがDmであるところとか。

このところ、こういう音が頭の中で鳴っているんだろう。出てきたものを書き留めるしかない。

Lives Of The Sea

Vox Continentalの1番ピアノ「Grand Piano 1」独奏。シーケンサーの標準テンポ120で、メトロノームなしで録音。その後、テンポを100に落とした。リバーブ「HALL1」をかけた。VALVE DRIVEも少し。DYNAMICSは、MIDI録音の時にかけた、というか、MIDI再生の時には効力がないのだった。EQは、本体でも使い、dbx Quantumでも使った。

一つ前の曲はローランドFA-06で、今回はVox Continental。Vox Continentalは、VALVE DRIVEで少し頭を抑えることができる分だけ音量上げが楽で、こちらの方が少し音が大きくなった。

ローランドはピアノの大容量競争をしなくなった。32MBの拡張ROMを1台のピアノで使った、みたいなことを昔は言っていたのだが。Fantom Gでそういうことは言わなくなり、JUPITER-80のSuper NaturalのピアノやV-PIANOでは、容量自慢をしなくなった。現行FANTOMでも同様のようだ。

Nord Piano Libraryは、最も容量の大きいXLで数百MB。MONTAGEの拡張メモリーに読み込ませるピアノもその程度だ。MONTAGEに最初から入っているCFXはそれより少し大きいかもしれない。Dexibellのライブラリもそのくらい。

Vox Continentalは、PCMメモリーの総量が、バージョン1で10.5GB、バージョン2で11.9GB(48kHz・16ビット・リニアPCM換算時)。そのうちの、どの程度をピアノ音色に割り当てているのかはわからないが、まあ、大きさでいうと似たようなものだろう。

ある程度の容量は必要だと思うんだよね。

H2

2021/10/11

KORG Vox Continentalの背面端子を使えるだけ使う

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Vox Continentalの背面端子を使えるだけ使うぞ、とケーブルとフットスイッチを出してきた。

まずはXLRのバランス音声出力端子から、dbx Quantumへの配線をした。これまでは、アンバランス出力→ローランドMX-1→dbx Quantumという配線のみだったが、今回の配線を追加したことで、Vox Continentalの音だけを録音するのであれば、MX-1をバイパスできるようにしたわけだ。

上の写真ではスイッチの位置がグランドリフトになっている。写真を見て気付いてリフトしないように変更した。どちらでも、特にノイズがある感じはない。アンバランスで出すより、ノイズが少し少ない、かなぁ。

ROTOR SPEED端子には、コルグの2極のサスティンペダルをつないだ。スロー/ファストの切り替えができ、cc#82が出る。これがあれば、nanoKEY Studioのつまみをcc#82に使う必要はないな、と思ったが、だったらそのつまみに新たに何を割り当てるかというと、良い考えが浮かばない。うーむ。

Vox Continentalのピアノは、好みのものである気がする。ベンドレバーを引いて丸い側に持ってくることができるのが、私にとっては素敵だ。今のところ、ヤマハMONTAGE、Clavia Nord Stage 3と同等のレベルではないかと感じている。

H2

KORG Vox Continentalのシンセ音はcc#1を受けるようだ

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KORG Vox Continental-73の上面左にKORG nanoKEY Studioを、上面右にPFUのHappy Hacking Keyboard Lite2 PS/2を置いた。

Vox Continentalは、ピッチベンダーはあるのだが、モジュレーションホイールがない。それを何らかの方法でカバーできないかと考えて、nenoKEY Studioを出してきた。8個あるつまみの左下隅にコントロールチェンジ(cc)の1番を割り当て、その出力をVox Continentalに送ったところ、Vox Continentalのシンセ音にビブラートをかけることができた。ドキュメントには記載されていないが、バージョンアップ時に追加したのかもしれない。

nanoKEY Studioの他のつまみもccを送るように設定した。

20211011a_nanokeystudioseting

つまみ下段は左から、モジュレーション(cc#1、コルグのジョイスティックY+)、ブレスコントローラー(cc#2、コルグのジョイスティックYマイナス)、ボリューム(cc#7)、エクスプレッション(cc#11)で、これは前からこの設定にしていた。Vox Continentalは、1と7と11は受ける。2は受けないようだ。

つまみ上段は、Vox Continentalに合わせて変更した。左からcc#105(Vox Continentalのスライダー4、シンセ音ではカットオフ)、cc#106(Vox Continentalのスライダー5、シンセ音ではレゾナンス)、パン(cc#10)、cc#82(Vox Continentalのスロー/ファスト切り替え)である。

cc#1によるビブラートは十分な分解能があるように思われる。cc#105によるカットオフ、cc#106によるレゾナンスの変化は、分解能が十分でないのか、ちょっとギザギザ感がある。cc#10のパンはスムーズだ。マルチティンバーでないのでパンに意味があるかというと謎(ミキサーでかければ十分かも)だが、とりあえずこれで。スロー/ファストは、左のピッチベンドレバーで制御するのが基本なのだが、MIDI録音するには、ccを使う方が簡単かもしれない。

音を一つ。

"Sine Lead" with cc#1 from nanoKEY Studio

Vox Continentalの「Lead 1: Sine Lead」独奏。nanoKEY Studioのつまみでcc#1を送ってビブラートをかけた。最後のロングトーンでは、最大値まで上げた。内蔵のエフェクト、ディレイ、リバーブはすべてオフ。VALVE DRIVEもオフ。でも、ほんのちょっぴりステレオ感があるように思う。純然たるシンセではなく、プリセット・シンセなので、内部で何をやっているかは謎。この音色はポルタメントの有無を変更でき、今回はポルタメントをかけた。ポルタメントタイムの変更はできない、と思う。

Vox ContinentalにnanoKEY Studioを付け加えたことで、コントロールチェンジは、まあまあ送れるようになったかなと思う。アフタータッチは送れないんだよなぁ。

H2

(2021/10/11追記)

その後ピアノの音を弾いていたら、cc#1とcc#2に反応して音が揺れるようだった。その揺れはどうも異なるようで、うーん、ドキュメント欲しいぞ、というところ。エレピはcc#1に反応してトレモロがかかる。ただ、ベンドレバーを使ったトレモロが左右に揺れるのに対し、cc#1のトレモロは左右に揺れないようだ。cc#1のトレモロはオンオフではなく、深さを加減できる。FMエレピの2番はビブラートだったりもする。オルガンは反応しない。

2021/10/09

KORG Vox Continentalを購入

20211009a_korgvoxcontinentalshinning

KORG Vox Continental-73を購入した。送料含み7万9800円。元箱(捨てるけど)、エクスプレッションペダル、ソフトケース含む。

鍵盤側から見るとこんな感じ。

20211009b_korgvoxcontinentalwithkorgarpo

この製品が発売されたのは2017年9月。うわぁ、いいなぁ、とは思っていた。何が素敵って、「MADE IN JAPAN」である。

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このごろは、コルグもローランドもヤマハも海外生産の品が多く、日本製は上位機種に限られている。海外製のものは安価で助かっているのではあるが、日本製のブツに魅力を感じるのも確かである。

Vox Continentalは、ここ数年で発売されたシンセサイザー、キーボードの中で、最も値崩れが大きかった製品ではないかと思う。Vox Continentalの73鍵盤モデルは、20万円台半ばでスタートしたと記憶している。その後、キーボードスタンドが付属しなくなり、さらにこのごろになって安くなり、本体とエクスプレッションペダルで10万円前後の価格が見られるようになった。日本製の軽量ステージキーボード、買えるのであれば欲しいと思った。

ここしばらく、机左側はローランドFA-06を置いていた。これはこれで良いシンセであるのだが、61鍵盤はちょっと物足りないし、鍵盤の奥が弾きづらい。もうちょい広く、鍵盤の質が良いものを買えるなら、それは嬉しいだろうと考えた。Vox Continentalはアフタータッチがなく、モジュレーションホイールがないが、上面に空きがあって物を置けそうなのは魅力的だった。

我が家にある61鍵盤を超える電子鍵盤は、コルグT2EX、ヤマハEX5、NP-31、クラビアNord Stage EX HA76、Nord Stage 3 HP76、カワイMP9500である。T2EXは瀕死の状態でメインとして使う気になれない。EX5はボタンが渋くなっているがまだ何とか使えるとは思う。ただ、大きくて重い。NP-31はメインに適する鍵盤ではない。Nord Stage EX HA76とNord Stage 3 HP76は、悪い機械ではないのだが、シンセ音色を弾くのに少し抵抗がある。アフタータッチの効きが弱いのも、私としては好きではない。MP9500は、一人では動かせない巨体である。

Vox Continental-73は8.4kg。この重量で73鍵盤は魅力的だ。鍵盤の質は、買ってみなければわからないと思った。

以上のような次第で、中古で7万9800円送料込みというのが出ていたので、買ってしまった。エクスプレッションペダルだけでも、新品なら1万円くらいしそうなので、お買い得であると思う。

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Vox Continentalの鍵盤は、独特なものである。オルガンというよりピアノであるが、浅い。奥は弾きやすい。鍵盤幅は白鍵10個で232mmくらい。「Yamaha MONTAGE 6/7の鍵盤は狭いのか?」でいくつかの鍵盤を測ってみたが、Vox Continentalの鍵盤の幅は、Rhodes Mk2程度と言えよう。

Vox ContinentalでKORG ARP Odyssey Moduleを弾いてみたが、シンセを弾くのに違和感はなかった。ピッチベンドは問題なくできる。Odyssey-Mはcc#1を受けないが、そうでないシンセを弾く場合は、モジュレーションホイールがないのが、ちと困る。

Vox Continentalには「DYNAMICS」というノブとボタンがある。これは、外部にMIDIのノートを送る場合のベロシティにも作用するようだ。けっこう便利かもしれない。

nutubeによる「VALVE DRIVE」は、控え目であるが、それゆえの使いやすさがありそうだ。

では音を少し。

Scene 1: VOX Organ Basic

VOXの本物は弾いたことがない。この音色を弾いた感想は「パイプオルガンみたい」であった。ハモンドオルガンよりも、パイプオルガンっぽい。でもそう思うのは、デジタルリバーブを装備しているからで、当時はそう思われなかったかも。

Scene 2: E.Piano MK II Tremolo (Tremolo Off)

トレモロが強調されたプリセットであるのだが、ベンドレバーを下に一度動かし、トレモロを切った。この曲には不要であるからだ。Vox Continentalのデモを視聴して、私が一番期待していたのはエレピであった。まあまあ、期待を裏切らない出来であると思う。最近のキーボードは、どうもエレピの音がイマイチなものが多い。Mk II Stageを所有しているせいか、MK IIの音色が出てくると嬉しい。

Scene 3: Grand Piano 1

KRONOS初代を持っているが、そのピアノはそんなに好きではない。そのためVox Continentalにはあまり期待していなかったが、期待以上であった。よく伸びる。Nord Piano Libraryより、ぜいたくに容量を使っているのかもしれない。

Scene 4: Clav AD Wah

ワウがオンになっていると、エクスプレッションペダルはその調整に使われる(音量調整に設定もできる)。クラビは苦手なので恥ずかしい。他の3音色はパソコンに取り込んだ後に音量上げの加工をしなかったが、このクラビだけは音量が不足気味だったのでOzone 9で上げた。

プリセットの数音色を試しただけだが、Vox Continental、けっこういいかも。

H2

2021/10/06

Windows 11用のドライバーソフトはあるか?

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メインのWindowsパソコンをWindows 11に更新したいのだが、音楽関連の周辺機器が動かなくなるのではないかと心配している。

コルグのWindows 11についてのお知らせ

ローランドのWindows 11についてのお知らせ

SteinbergのWindows 11についてのお知らせ

以上3つは、「Windows 11への更新は待ってね」というものだ。まあ、こういうメッセージだけでも、出してくれるのはよいことだと思う。待とうと思うじゃありませんか。

驚いたのはMark of The Unicorn(MOTU)である。ダウンロードページを見たら、「Supports Windows 10 and later」と書いてあるものがいくつかあった。私が持っている、Midi Timepiece AV(MTAP)で使えそうな、MIDIのドライバーもあったので、ダウンロードしてインストールした。デバイスマネージャーでドライバーの情報を見ると、「2021/10/01」と新しいものになっていた。Clockworksは無事に起動したように見受けられた。

MOTUのMIDIドライバーのWindows版は、これまでは「MOTUSetupMIDI57483.zip」が最新であったように思う。中身のタイムスタンプを見ると2013年5月1日になっている。ずいぶんと更新しなかったのに、今回はがんばったということだろうか。

WindowsでMTPAVを使うことを、また検討してもよいかもしれない。MOTUさん、ありがとう。

H2

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