
昨日、ローランドSH-201で音を作り始めた。鋸歯状波を1個出す程度の基礎的なものであるのだが、それでも、練習にはなるはず。
音を作る際は、SH-201に向き合うのではなく、パソコンに正対して、Arturia KEYSTEP 37を弾きながらやるのがよいようだ。画面には、上の図のように、ライブラリアンとエディターを開く。
WindowsのMIDIは、昔はけっこう「マルチクライアント」であったと思う。一つのMIDIポートを複数のアプリケーションソフトで共有できた、という意味だ。しかし、このごろは、複数のソフトを立ち上げるとMIDIポートを開けないことが多くあり、最近のWindows MIDIはマルチクライアントではなくなったのか、と思っていた。
ところが今回の場合、上図のように、ライブラリアンとエディターを同時に起動して使える。UM-ONEのドライバーが優れているのか、アプリケーションの側が優れているのか、うーむ。
ただ、この2種のソフトの連携方法は、最初はちょっとわからなかった。どちらもSMF(Standard MIDI File)の読み書きができるので、それで連携すればよいのかと思ったが、なかなかうまくいかない。ライブラリアンのSMFとエディターのSMFは、相互運用できるものではないようだ。
ライブラリアンで音色を選んでSH-201のテンポラリーエリアに送信し、エディターでREADボタンをクリックしてそれを受信して編集、音色ができたらWRITEボタンを押して本体のユーザーエリアに書き込む、というのが今やっている手順である。ライブラリアンではプリセットパッチ(ROMパッチ)を扱えないが、エディターでは選択できるので、それをベースにした音色編集もできる。
SH-201ではパソコンの画面に向かって音を作る方がいいかな、というのは、いくつか理由がある。(1)ライブラリアンとエディターの出来がとてもよい、(2)音を作る際は音色名を付けたい、(3)失わないようにパソコンのファイルにしたい、(4)我が家のSH-201は制御子がだいぶへたっていてパネルで作るとイライラすることがある、(5)パラメーターがけっこう多くエディターがないとわかりにくい、などだ。
では3音色。
Saw01
イニシャライズしてから、鋸歯状波を1個使ったリードを作った。ベロシティによる音量変化はなしにして、ディレイを少し。SH-201のディレイはけっこう独特だと思う。パラメーターを見る限りモノであるのだが、録音した波形を見ると完全にモノとは言い難い気もする。謎である。
cc#1によるモジュレーションは、ソースはLFO2で、今回は波形を正弦波にした。かかり先は、標準状態では「UPPER & LOWER両方(BOTH)」「OSC1&OSC2」である。かかり先は、エディターのPatch Commonの詳細ウィンドウで設定できる(下図)。

今回はUPPERのOSC1しか使っていないので特に変更する必要はないのだが、OSC1にだけビブラートをかける、というのも将来はやってみたいと思う。cc#1のかかり具合を設定できないのは少し残念だが、SH-201のレバーだとこれで不便はないし、あまりにひどくかかるというわけではないので、まあ我慢できる。
Square01
前の「Saw01」の波形を方形波(スクエア)にしたもの。SH-201のビブラートはけっこうきれいだと思う。ビブラートがきれいにかかるシンセは、やっぱりいいなぁ。
SawChorusStr
オシレーターは鋸歯状波1個のみで、ディレイにモジュレーションをかけたコーラスで作ったストリングス。SH-201には「エフェクト・テンプレート」という機能があり、ディレイ、リバーブ共に8個の中から一つを選べる。これはハードウエアの操作パネルでは選べるが、エディターでは選べない。ディレイのテンプレートでコーラスを選び(確か2を選んだと思う)、エディターで見るとこんな感じ、らしい(エディターで編集を加えたかどうか忘れた)。

コーラスにしたい場合、TIMEとFEEDBACKは「0」でよいらしい。ふむふむ。
私の場合、ストリングスは両手で弾きたいので、アフタータッチが使える場合はアフタータッチでビブラートをかけることが多い。ただ、SH-201はアフタータッチ対応ではないので、LFOのFADE TIMEを上げてディレイビブラートをかけてみた。

フェードの様子が図示されるのがかわいい。
SH-201はけっこうパラメーターが多い。パネルから操作できるパラメーターもけっこうな数があるのだが、あるボタンを押しながらあるツマミを回す、みたいな感じで、到底覚えられない。エディター使うしかないよなぁ、と思う。
液晶ディスプレイでパラメーターを呼び出す手法にして、コンパクトなデスクトップモジュールか、1Uモジュールを作ってもよかったのではないだろうか。そっちの方が人気が出たかもしれない。
最後に、上記3音色を収めたファイルを示す。
ダウンロード - 20230416a_rolandsh201_3patches.shl
SH-201のライブラリアンの形式である。Windowsを使っている人はこれで大丈夫だと思うが、Macを使っている人は、たぶんエディターが今のMacでは動かないので、使えないかもしれない。エディターのファイル形式を使うとか、SMFを使うとかも考えたのだが、とりあえずこれで。私が知る限り、SH-201の本体操作でシステムエクスクルーシブを送信することはできない。
H2