Arturia Minibrute 2を購入
Arturia Minibrute 2を購入した。3万2780円。上の写真は、左がMinibrute(以下Minibrute 1)、右がMinibrute 2である。
Minibrute 2が出た時はそそられたが、値段が高いなー、と思った。サウンド&レコーディングマガジンのレビュー記事には「9万5000円」と記されている。下がってくるのを待つか、と思っていて、新品が3万2780円となっているのを見て購入した。鍵盤のない2Sと一瞬迷ったが、やっぱり鍵盤付きでしょう、と思った。アフタータッチ付きだし。
Minibrute 2はMinibrute 1より一回り大きい。鍵盤の幅は同じだが、露出している奥行きはMinibrute 2の方が少し短い。ただ、内部でどうなっているかはわからないので、優劣は論じられない。Minibrute 1のアフタータッチはかかり過ぎるきらいがあり、「Kbd Aftertouch Response」を「Exp」(エクスポネンシャル)にして使っている。Minibrute 2のアフタータッチは、標準設定でもほどよい感じで、ここは好感触だ。
Arturiaのソフト「MIDI Control Center」はMinibrute 2を認識し、ファームウエアの更新を勧めてきた。
この個体は、長い間楽器店の倉庫に眠っていたのだろうか。下の写真は更新をしている様子だ。Minibrute 2を更新モードにするから電源を切って入れろ、と言われて、言う通りにした後の様子である。
更新が完了すると、下のダイアログが出る。
まあこれで大丈夫だろう。
Minibrute 1と2はけっこう音が違う。フィルターの特性が違う。簡単に言うと、1の方が荒々しく、2は少しおとなしい。レゾナンスを上げ切ると発振するのは同じだが、1は音階を作るのが無理な感じで、2は音階ができそうである。
ではその発振音を2点。
Minibrute 2 Filter Oscillation
Minibrute 2のフィルターを発振させて弾いた様子。音階を作るにはパッチングが必要。MIDI KBD→ATTENUATORS In 1、ATTENUATORS Out 1→FILTER Cutoffと、2本のパッチケーブルをつないだ。Att1つまみの設定が微妙だが、2オクターブの範囲では、まあまあ音程が正しくなったと思う。
Minibrute 2 Filter Oscillation with Vibrato and Pitch Bend
Minibruteの「Mod」のビブラートは、キーボードCVを揺らすらしい。上と同じ音色で、ビブラートとピッチベンドをかけることができた。Minibrute 1では、フィルター発振に対してピッチベンドはかかるが、ビブラートはかからない。
2時間ほど触っただけだが、Minibruteの1と2は、性格が異なるシンセであると思う。2は1の後継ではないし、拡張でもない。
1はライブに好適だろう。コンパクトでシンプルでどぎつい音を出せる。鼻をつまんだような、くせのある音だ。それでいて、意図しない音がしないように、ほどよい制限がかかっている。
2はスタジオ作業に好適だろう。どぎつさは少し控えめだが、それでも、悪い音ではない。何かやろうとするとパッチコードの抜き差しが必要で、いろいろなことができるが、うまく鳴らないケースも多いだろう。
1ではできて、2ではできない、ということもある。1では、ホイールの作用先を「Cutoff」「Vibrato」「LFO Amt」の3つから、アフタータッチの作用先を「Cutoff」「Vibrato」「Off」の3つから選べる。ホイールとアフタータッチを別のことに使えるわけだ。2では、Modセクションの「Mod Source」スイッチを「Wheel」「Aftertouch」のいずれかにできるだけで、それぞれに別の機能を割り当てることができない。パッチパネルを使ってもできないと思う。
日本語マニュアルでは、パッチパネルのアッテネーター1のデフォルト入力が「(Press)」となっているものがある(70ページ)。私はこれを見て、あー、ここはプレッシャーだけが来るのだな、と思っていた。ところが、我が家に届いた実物は「(Mod)」となっており、モジュレーションホイールとアフタータッチの2者択一であるようだ。マニュアルの写真をいろいろと見ると、「(Mod)」となっているものもある。ここは、「(Press)」であってほしかった。
Minibruteの1の「FILTER」セクションには「KBD Tracking」つまみがあるが、2にはない。パッチコードを使わないとできない。面倒である。
Minibrute 2は、パッチコードを使うと面白い。
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