
PharmasonicのSYS-100 101を購入した。4万円+送料880円。
PharmasonicのWebサイトを見ると、7万4900円(税抜き)で販売中らしい。
Pharmasonic SYS-100は、ローランドSYSTEM-100の回路図に基づいて作られた製品で、単体モジュールのほかに、「基本ユニット101」を模した「101」と「エクスパンダー102」を模した「102」がある。ローランドの基本ユニット101はキーボード付きだが、Pharmasonicの101はキーボードはない。Pharmasonicの101と102の違いは、左から2番目のブロックが、101は「PORTAMENTO/GLIDE」で、102は「SAMPLE&HOLD」であることだけだ。
PharmasonicのSYS-100はドキュメントがない。SYSTEM-100のドキュメントを探してね、ということなのだろう。ローランドのWebサイトには日本語のオーナーズマニュアルのPDFがある(基本ユニット101はこちら) 。海外のWebサイトを探すと、英語のサービスマニュアルもある。
ローランド本家はSYSTEM-100をソフトウエアシンセサイザーとして復刻した「SYSTEM-100 Software Synthesizer」を販売している。Webサイトはこちら。私は2018年にこれを購入した(購入記事はこちら)。
ローランドのWebサイトによると、SYSTEM-100の発売は1975年であったという。それまでのローランドのシンセサイザーはSHシリーズで、パッチングが可能なモジュラーシンセサイザー(パッチしなくても使えるからセミモジュラーと呼ぶべきかもしれない)は、SYSTEM-100が最初のものであった。
私が小学校の時に買ったシンセサイザーの本や、楽器店でもらったローランドの製品カタログにはSYSTEM-100がなんとなく掲載されており(最先端の製品ではなかったと思う)、私にとってSYSTEM-100は、少年期の憧れの存在である。その復刻版であるならば、欲しいなぁ、と思ってPharmasonicの101を買った。
音を一つ。
Pharmasonic 101 "Square Lead"
矩形波の出力を使い、PWMつまみを左に回し切って方形波にして作ったリード。Kenton ElectronicsのPro Solo mk2でCVとゲートを与えた。オシレーターの出力はフィルター、アンプに回し、アンプはADSRで制御した。フィルターにはCVを入れて、キーボードトラッキングを調整した。ビブラートはcc#1を送ってPro Solo mk2でかけた。ディレイはRoland MX-1の「2:Pan Delay」である。
ピアノやエレクトーンのようなポリフォニックの鍵盤楽器を弾いてきて、前の音と後の音を少し重ねることでノイズを出すことが習慣になっていた私は、モノフォニックのシンセを、切って弾くのが苦手である。モノシンセは、切って弾かないとおかしな音になるものと、切って弾かなくてもそれなりに鳴るものがあり、この101は前者であると思う。なかなかうまく弾けず、上の録音でも、上のミ(E)がよじれたところがある。練習しなければ…。
方形波のリードを弾いていて、Nord Stage 3でも同様の音を作って弾き比べてみた。同じと言えば同じだし、違うと言えば違う。101の音は歪んだりよじれたり忙しいが、そこがどうしようもなく魅力的だ。
ローランドの基本ユニット101はセミモジュラーだが、Pharmasonic 101はフルモジュラーである。すべてパッチしなければならない。けっこうこれが大変だ。ポルタメントをかけようとして、TRIG端子にゲートを入れなければ動かない、というのがなかなかわからなかった。
ユーロラックモジュラーはシグナルのレベルが高いものが多いが、Pharmasonic 101は通常のラインレベルのようだ。いいのか悪いのか、これは微妙である。
ここまでの印象としては、Pharmasonic 101は素晴らしいと思っている。Studio Electronics Boomstarのようなモダンなアナログモノシンセではない。クラシカルな点が素晴らしい。白いパネルは美しいし、ノブと端子の配置も適切だ。
どのように箱詰めして、どのように使うか、考えなければなるまい。
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