
これまで、パソコンの中の音声ファイルを編集する時は、Realtekのデジタル出力(オプティカル)でパイオニアのAVアンプ「VSA-919AH」に音を送り、そこからヤマハNS-10M+YST-SW800、もしくはオーラトーン5Cでモニターしていた。音楽を聴く時も、そのアンプとスピーカーで聴くことが多い。
気に入っている点がいくつかある。VSA-919AHは付属マイクで自動調整ができ、その結果はおおむね信頼している。メインボリュームの設定が数値で示されるのもよい。「マイナス20dB」にセットして、それで聴きやすい音量になるようにコンプをかけたりしている。
ただ、困った点もある。レベルを上げていった時、Realtekの出力段で歪んでいるという疑いを捨てきれない。歪みを抑制するためにRealtekの出力レベルを100から90に下げているのだが、それが妥当であるかどうかも考えてしまう。NS-10Mを使っている際には、中低域のレベルが上がった時にVSA-919AHの空冷ファンが回るが、それも嫌だ。
そんなわけで、モニター環境は悩ましいし、スピーカーが売られているのを見ると、「これを買ったら改善できるかも」とつい考えてしまうのだが、それよりも、今セットしているものを活用できないか、ということで、TRUTH B3031A+Dynaudio BM14Sでリスニングを始めた。
B3031AとBM14Sを買ってからけっこう時間が経過しているが、リスニングにあまり使ってこなかったため、耳が慣れていない。どうしても、慣れた方で作業してしまう。もうこれは、耳を慣らすしかない。
現在の、B3031Aに至る接続は以下のようになっている。

最初に試したのは、RME Firefaceからのラインである。パソコン上でPlayPcmWinを動かして、音楽CDからリッピングしたWAVファイルを聴いてみた。これが想像以上に面倒であった。PlayPcmWinは、44.1kHzをRME Firefaceで出すためには、RME Firefaceが44.1kHzで動いていることを要求する。通常はクロックジェネレータGENx192から供給される96kHzで動かしているため、44.1kHzに設定を変更するのが、けっこう面倒なのだ。なんとかできたけれど、普段使いはしたくないなぁ、という面倒さであった。
Sound Forge上で96kHzのWAVファイルを、ASIO接続のFireface 800で再生するというのもなんとかできた。これだと、96kHz設定を変更する必要はないからそれはそれでありがたいが、44.1kHzまたは48kHzのMP3の再生をするとなると、やはり面倒である。最後はやはり、RealtekとVSA-919AHで聴くことになるかもしれない。
次に試したのは、MR-2000SにWAVファイルを転送して、アナログでdbx QUANTUMに送って聴く方法である。パソコンの電源を落として、空冷ファンのノイズなしで再生できるのは助かる。アナログで入れると、QUANTUMのレベル調整つまみは、入力と出力の両方を使えるので、音量を落とすのも容易でよい。
次に思い立って、Oppo BDP-103のS/PDIF出力をdbx QUANTUMのS/PDIF入力につないでみた(上写真)。これだと、MR-2000Sの電源を入れなくて済む。CD等でリスニングを楽しむには、これが一番いいかな、と今のところは思っている。
この方法にも問題はある。音量を設定するにはQUANTUMの出力つまみを用いるしかなく、上の写真でもわかるように、かなり左に振り切っていて、調節が難しい。左右のバランスも考慮しなければならないので、なおのこと難しい。また、BDP-103はSACDの出力をS/PDIFには出してくれないと思うので、SACDは聴けない。SACDを再生するには、アナログでMR-2000S経由にするしかない。96kHz24ビットのDVD-Audioをかけてみたところ、それはS/PDIF経由で聴けるようだ。
いろいろやっているのだが、パソコンの空冷ファンの音も気になってきた。今使っているパソコンのCPUは、TDP130Wの「Core i7-3820」である。次に買う時は、TDPが控え目なものを選んだ方がよいかもしれない。
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