Kenton Electronics「Pro Solo MkII」でRoland BITRAZERを弾く
Kenton Electronicsの「Pro Solo MkII」を出してきた。Roland BITRAZERにCV/Gateを送ってみたらどうなるかを実験したかったからだ。
先日の実験で、TORCIDOの出力から、音声信号だけでなく、制御信号を出力できることがわかった。だったら、入力端子も、制御信号に対応しているのではないかと考えた。CV/Gateを送れば、それでシンセ化したBITRAZERを弾けるのではないだろうか。
BITRAZERを購入した時の記事で、BITRAZERのシンセ化を実験した。BITRAZERはメインモジュールがフィルターなので、シンセ化に向くということはわかったが、「MIDI NOTE TO CV/GATE」モジュールを使ってノート情報を送った場合、ピッチベンドもビブラートもポルタメントもかけられないので、これでは用途が限られるなぁ、とも思っていた。
Pro Soloを始めとするKentonのMIDI→CV/GATEコンバーターは、内蔵LFOでCVを揺らすことができ、CVをなめらかに変化させるポルタメント機能もある。CVにビブラートとポルタメントを乗せられるのだ。これを使えば、AIRA Modularのシンセを、よりシンセらしく使えるのではないかと期待した。
実験したところ、下の図のようなパッチを組んで動かすことができた。
INPUT1にCV、INPUT2にGateを入力すると、CVをオシレーターに、Gateをエンベロープジェネレーターにパッチできる。MIDI NOTE TO CV/GATEモジュールを使わなくて済むので、スペースを1個節約できる。
上図のパッチでは、音声信号はオシレーター→フィルター→アンプとストレートに結線しただけである。アンプ用のエンベロープとは別にフィルター用のエンベロープを用意し、ミキサーで、GRF3、CV、フィルター用エンベロープの信号を混ぜている。今回はフィルター用エンベロープは使っていない。CVを使ったキーボードフォローは少しかけた。キーボードフォローはあった方がいいなぁ、ということでミキサーを用意した。
では音を。
Roland BITRAZER Synth with Kenton Pro Solo MKII
方形波のリードを手弾きした。エフェクトはRoland MX-1のディレイ1。使った鍵盤はClavia Nord Stage 3で、3本ペダルの中央を踏むとポルタメントがかかるように、モジュレーションホイールを上げるとビブラートがかかるようにした。今回はポルタメントをけっこう使っているが、最後の音だけは、ピッチベンドでせり上げた。
シグナルパスは完全デジタルなのだけれど、CVがアナログであるせいか、それともBITRAZERが高解像度であるせいか、なめらかに感じる。弾いていて気持ちがよい。あー、これなら普通に使えるわ、と思う。
上の図を見ると空きスロットが1個しかなくて大したことができないように見えるかもしれないが、1個オシレーターを加えればデチューンやオクターブ重ねができる。BITRAZERのメインモジュールはステレオだし、アンプも2個あるので、2つのオシレーターを左右に振ることもできた。フィルター用エンベロープを取り去って空きを増やすことも可能。少ないスロットではあるが、いろいろな工夫ができそうだ。
BITRAZERのフィルターは、シンセ用としては切れがあまりよくないと思う。これはこれで味があるけれども、別のフィルターを使う手もあるよね。6、12、18、24(デシベル/オクターブ)の4種類がある。
H2