
Synthogyの「American Grand」を99.99ドルで購入した。Motif XF、MOXF、MONTAGE用があり、私が買ったのはMONTAGE用である。ダウンロード販売なので、すぐ入手できる。数日これを買おうかどうか迷い、ディスカウントクーポンが出るまで待つか、と思ったのだが、待てずに買ってしまった。
MONTAGEに読み込ませ、ライブセットを見るとこのようになっている。

パフォーマンスは16個しかない。でも、使えないものがたくさんあっても仕方ないので、数が少ないから悪いとは言えない。16個、すべて録音してみた。同じ曲(の前半)を弾いている。ただ、同じMIDIデータを用意して鳴らしているのではなく、すべて手弾きだ。音に影響されて、テンポは大きく変動している。失敗も散見されるが、お許し願いたい。
AG Concert
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AGはAmerican Grandの略だろう。ニューヨークスタインウェイのD-274である。スタインウェイであることは言っていても、ニューヨークであるとはっきり言っているのは、ちょっと珍しいかもしれない。ま、私は最近のソフトシンセをウォッチしていないので、それらではポピュラーなのかもしれない。ニューヨークスタインウェイであるのは、ちょっと嬉しい。うちにあるSteinway Fもニューヨークものであるからだ。AG Concertの音は、見事に中庸を行っている。響きはあり過ぎず無さ過ぎず、伸びもあり過ぎずなさ過ぎず、倍音も太さも暖かさも輝きも、すべてが中庸を行っているように思う。主張がない、単に「良い」としかいいようがない音であるのだが、だからこそ使いやすい。作り手の技量と経験を感じる。モジュレーションホイールを上げると音が回る感じを微妙に、または極端に付加できる(録音では使っていない)。実物のDもけっこう音が回って、それをうまく真似ている。いや、お見事。
AG Studio
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AG Concertのリバーブがホール3.1秒であるのに対し、AG Studioはルーム1.2秒である。それ以外に何が違うのかというとよくわからないが、おそらく、いろんなシカケが施されているのだろう。モジュレーションはAG ConcertもAG Studioのどちらもバリエーションセンドに割り当てられている。バリエーションの内容は、AG ConcertがSymphonic、AG StudioがEnsemble Detuneである。参考になるなー。
AG Rock
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ロックだからと言って、普通に使えないピアノではないというのがすごい。ジャズにも合いそう。
AG For Ballads
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これも、バラードだけじゃなく使えそうなのがすごい。いいピアノってのは、何を弾いてもちゃんと応じてくれる懐の深さがあって、それに相通じるものを感じる。
AG Slightly Squashed
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インサーションでVCM Compressor 376が入っていて、それで少しつぶしてある、ということではないかと思う。なんというか、どれもピアノエフェクトのお手本のようだ。
AG Soundtrack
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映画のサウンドトラックでピアノが遠くで鳴る、というもの。美しい。
AG Big Detune
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AG Soundtrackまでは2パートで、中低音と高音で分けてあったが、このAG Big Detuneは4パート使ってデチューンをかけている。ちょっと控えめなホンキートンク。
AG 100 Years Later
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100年を経てちょっと壊れたピアノをイメージしたのだろう。モジュレーションホイールはバリエーションセンドで、バリエーションエフェクトは2 Modulatorである。モジュレーションホイールを上げると、アンピッチな感じが付加される。
AG Old Mono
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使っている波形は、モノじゃないように思う。左右に広げてない、という意味かなあ。
AG with Tines
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エレピレイヤー。エレピにはけっこう深いパンがかかっている。センスがいい。
AG and FM
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アコピとFMが、あまり混ざらずに独立して聴こえるような気がする。FMを単体で聴くと弱々しいのだが、それがいいんだろう。うまい。
AG String Layer
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ピアノとストリングスのレイヤー。それでも、このフレーズ弾いても大丈夫なのがすごい。ピアノにだけアルペジオがかかるようになっているので、ARP ON/OFFボタンを押してオンにするとまた楽しい。
AG Padded
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パッドレイヤー。モジュレーションホイールを上げるとパッドの倍音が付加される。パッドの音量を下げるとさらにいい。
AG Trailer
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ディレイを後ろに引っ張っているからトレーラーなのかな。時々見かける表現である。
AG Hammered
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コメントには「Dulcimer AG」とあるので、ダルシマーをイメージしているのかも。ハンマーに加工したものをイメージしているのかも。ちょっとトイピアノ風でもある。
AG Shipwrecked
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雑音を混ぜた音。これはちょっと、使いどころを考えねばならないかも。
ここまでで16個の音色を網羅したが、一度もサスティンペダルを踏んでいないので、それも一つくらいは、ということでもう一つ。
AG Concert(with Padal)
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ペダルを踏んだ時の音の残りは、これまた、多過ぎず、いい感じである。
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先日ファツィオリを弾きに行って、やっぱりやられてしまうところがあって、ファツィオリ買えないかなー、いやせめてフルコン買えないかなー、と妄想していた。でも、やっぱ難しくて、シンセかな、と思ったりもした。で、MONTAGEでもうちょいまともな音出してみようか、と思って、手持ちのサンプルを試していて、で、ついつい、American Grandを足してしまったのだった。
これで我が家のMONTAGEには、ヤマハのCF3、CF3S、CFX、S700、S6、ベーゼンドルファーの290 Imperial、ニューヨークスタインウェイのD-274のサンプルが入ったことになる。ネタはこのくらいにして、プログラミングをしてみようか。
でも、我が家にあるのはMONTAGEだけではないので、浮気心が出るかも。S6000もFusionもあるし、E5000 Ultraを引っ張り出してくるという手もある。
H2